パパ、英語子育てやってますブログ

1歳児と4歳児パパの英語子育て実践をご紹介します!

未来の学校英語教育への不安。学校英語と世界の英語力ランキングから。①

こんにちは、英語子育てパパです。

 

英語育児をしている人も、そうでない人も、お子さんを持つ親であれば、いずれやってくる学校での英語教育に多少なりとも期待を寄せている人も多いのではないでしょうか。

 

昔の訳読重視の時代と比べると今は4技能(聞く、読む、話す、書く)に重点が置かれ、知識よりも「使えること」を目指して大きく教育内容が見直されました。

 

より実用的で実際的な英語が多数取り入れられ、デジタル化の助けも借りて教材は効率化し、デジタル黒板やタブレットなどの設備やデバイスは充実し、小学校でも英語が必修科目になるなど、昨今の教育環境は目覚ましく進化しています。

 

では、それに伴って当然日本人の英語力もさぞかし上がっていることだろうと思いたいところなのですが、実際のところどうなのでしょう?

 

参考までに世界の成人の英語能力ランキングを示す「EF EPI英語能力指数」の2022年度版を見てみましょう。

 

調査の対象となった世界111の国と地域のうち、日本は・・・

 

80位

 

です。

 

これはランキングの区分けでは「低い英語能力」に位置づけられていて、先進諸国の中では最下位レベルと言っていいでしょう。

 

それどころか、2021年度のランキングでは78位で、なんと下落すらしているのです。

 

なぜ日本はこんなにも低いのでしょうか?

 

 

英語力の高い低いは、もともとの言語(母語)話者にとって英語が学びやすい言語であるかどうか、ということが一因することがあります。

 

そして英語の学びやすさとは、たとえば「英語と同じアルファベットを使う」、「英語と文法構造が似ている」、「スペルや発音も英語と同じような単語がある」など、つまり言語的な共通性や類似性があるかどうか、ということが大きな要素となります。

 

その点から見ると、上位10位以内にはオランダをはじめノルウェーデンマークスウェーデン、ドイツなどのヨーロッパ諸国、そして南アフリカがランクインしているのですが、これは不思議なことではありません。

 

これらの国で話される言語の多くは英語と同じゲルマン語派と呼ばれる言語派に所属しており、もともと言語体系や語彙が似ているなどの特徴もあって、彼らにとっては英語は比較的学びやすい言語であると言うことができるからです。

 

南アフリカは意外に思われるかもしれませんが、そこで話されるアフリカーンス語も、実は英語と同系であるオランダ語から派生したもので、英語とかなり親しい言語です。

また南アフリカはイギリスの植民地だったことで、英語が公用語として使用されていることも大きな要因です。

 

そうした背景から、ヨーロッパ諸国やアフリカの一部などに暮らす人々にとっては、英語は比較的身に付けやすいのです。

 

 

アメリカがおこなったある研究によると、英語話者がフランス語を学ぶ場合と日本語を学ぶ場合の習得にかかる学習時間を比較すると、前者に対して後者の方が3倍ほどの時間を要するという結果が出ています。

 

フランス語はゲルマン語派ではなくイタリック語派と呼ばれるグループに属しますが、さらに広い区分ではインド・ヨーロッパ語族と呼ばれる言語族に共に属していること、そして英語は歴史的にフランス語の影響をかなり受けてきた言語であるため、やはり両者間の共通点は多いのです。

 

つまり英語を含めた多くのヨーロッパ言語と、それとは出自も大きく異なる言語間での習得には、相当の時間と困難さが伴うことが想像できるわけです。

 

これを念頭に、英語と言語グループ的に隔たりがある言語が大半を占めるアジアに限って同ランキングに目を向けると、24の国と地域のうち、日本は14位と、これも後ろの方に位置しています。

 

しかし、日本語のように英語とは異なる語族圏に属する韓国は、全体の中でも36位と日本を大きく上回っており、「標準的な英語能力」に位置付けられています。

 

これを見る限り、単純に言語的に距離が離れていることが英語力が低くなる最大の原因だとも決めつけられるわけでもなさそうです。

 

 

英語力が上がる(上がりやすい)かどうかは、言語的な距離以外にも、社会環境、教育の質、学習量と時間、継続性の有無、必要性や個人のモチベーションなど、様々な要因が複合的に絡み合うため、どれか一つを取り上げて「だから英語ができる(できない)んだ」と判断することはできません。

 

ですが、英語とその言語の関係という点で韓国と比べたとき、少なくとも「英語は日本語と違いすぎるから」を言い訳にはできないと言えるのではないかと思います。

 

韓国語と英語の隔たりも相当に大きいはずなのに両者の間に雲泥の差があるからです。

 

韓国の場合、極端なまでに学歴を重視する社会性や、何としても大企業に就職するんだという学生の気概、モチベーションが大きいのではと個人的には想像します。

 

ちなみに韓国は前年と比べるとランキングを1つ上げています。

 

そういう意味では、もはや学校英語教育や教材が云々という話ですらないのでしょう。

 

日本では、英語が喋れないからと言って死ぬわけでなければ教育が受けられないわけでもない。

英語が喋れなくても就職はできるし経済的にも大抵の場合無理なく生きていくことだってできる。

 

そんな中、英語習得という概念そのものが、英語ができるといいな、くらいの偶像化されたものでしかない状況だと、そこに手を届かせるのはもはや至難の業です。

 

英語をもっと現実的で、実生活やそれこそ生死に直結するものであるくらいに認識できるように扱わないと、どれだけ制度や教材といった形ばかり変えたところで、結果は何一つ変わらないでしょう。

 

続く・・・