パパ、英語子育てやってますブログ

1歳児と4歳児パパの英語子育て実践をご紹介します!

未来の学校英語教育への不安。学校英語と世界の英語力ランキングから。②

前記事の続き

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こんにちは、英語子育てパパです。

 

さて、英語習得が学校教育や教材の力でどうにかなるものではないかもしれないとは言え、知識や訓練機会の提供などの面では学校教育が重要な役割を担うことも事実です。

 

その学校教育に、子どもの英語力伸長に一縷の望みを託すほかないというご家庭も多いでしょう。

 

ではその学校はどのような英語教育を目指すべきなのでしょうか。

 

学校での英語教育は冒頭で述べたように確かに変化しています。

「英語に慣れ親しむ」「4技能を高める」「アクティブラーニングで実用的な英語力を」

とうたい、そのいずれもはたから見れば正しい方向を向いているように聞こえます。

 

しかしその実、その実態は学習者の英語力を本当に高めることにつながる代物であるとは到底思えません

 

 

最近の学校教育現場では、スピーキング力を上げようという方向性からむやみやたらと「話す活動」に力を入れた授業や実践がされがちです。

 

「英語は話すことで身に付く」「話す機会を与えてこなかったことが過去の失敗だ」

という考えのもと、

 

「文法は気にしなくていいからまずはどんどん積極的に話そう」

「単語を並べるだけでいいからとにかく相手に伝える気持ちで恥ずかしがらずに話そう」

 

などと指導をしている場合も少ないくないでしょう。

 

しかしこれは、「英語を話そうとする姿勢や積極性」を促すことはあっても、英語力自体を上げることには繋がりません

 

まず、「文法は気にしなくていい」という発想の裏には「ネイティブだって気にしていない」という考えがあると思いますが、

「文法をすでに体得しているネイティブが気にしない」のと「文法を分かっていない学習者が気にしない」のでは意味がまったく違います

 

ネイティブは確かに文法を気にしませんが、彼らは無意識に正しい文法を使いこなせるほど十分に体得しています。だから「気にしない」のではなく「気にする必要がない」のです。

 

ところが文法をよく知らない学習者が文法を気にしなければ、「でたらめな単語のただの羅列」が無限に生まれるだけです。

 

そもそも文法学習の根底は、5文型に代表されるように「単語をどう並べるか」を学ぶことにあります。

 

単語の並べ方こそが「語順の言語」である英語を支える土台であり、これを無視して正しい英語など後天的に身に付くはずがないのです。

 

 

数学の授業で方程式を解かせるとき、「数式の解き方のルールは分からなくても良いからとにかく思い切って積極的に計算しまくろう」などと教える指導者がいるでしょうか?

 

「カッコ( )の中を先に計算する」、とか「xを求めてからyに代入する」といった解き方のルールや手順を教えてから練習させるはずです。

 

何度も繰り返し解いているうちにいずれ正しい計算方法を自分で導き出すなんてことは至難の業ですし、何より効率が悪すぎます。

 

英語学習もそれと同じです。

 

特に後天的に学習して身に付ける場合、「英語のしくみを知って、それに則って単語を並べる」練習をすることが大事です。

 

それなのに、上記のような乱暴極まりない方針によって、中には文法の参考書を生徒にそもそも与えていない中学や高校まで平気であります

 

これでは日本の英語力ランキングが下がるのも当然です。

 

かつての文法・訳読中心の学校英語のやり方は、そこの偏りが過ぎたことが失敗の原因でしょう。

 

しかしやっていること自体は間違っておらず、あとは学んだ文法や訳読のスキルをリスニングやスピーキングに応用するという試みが足りなかったために失敗したとみなされているだけなのです。

 

 

かつて福沢諭吉は、自身の英語力向上のために辞書を片手にあたりかまわず、子どもにすら英語で話しかけていたそうです。

 

渡戸稲造英語の詩の音読を、

 

野口英世1冊の教科書を屋外で風呂焚きをしている間も部屋から漏れる明かりを頼りにただひたすら音読し続けたことで、

 

つまり3者とも、学習の上に発話する訓練を重ねたことで優れた英語力を身に付けたと言われています。

 

そんな昔から、英語習得の基本方法は「学んだ知識を生かせるよう繰り返し声に出して練習する」というシンプルなものであることが証明されているのです。

 

ただそれをやればいいだけなのに、本質的なことをごっそり取り除いて見当違いのことをやっている、それが今の日本の学校英語教育です。

少なくとも僕の目にはそう映ります。

 

もちろん、すべての学校がそうというわけではありませんし、優れた指導者はしっかりと分かったうえで指導に当たっておられることでしょうが、文科省の方針が的外れであることは言えるでしょう。

 

これから小学校や中学校で英語の学習を始めるお子さんをお持ちのママさんパパさんは、(少なくとも今の)学校英語教育に過度な期待を寄せることは避けた方がいいでしょう。

 

それよりも、何度も繰り返し書いているように、家庭内でたくさん英語の音を聞かせる、絵本や幼児向けの物語(音声付きのもの)などを書店で買ってきて毎日一緒に読みながら聞くなど、英語体験を可能な限り創出する努力を続けることをやってみてください。