こんにちは、英語子育てパパです。
先日から日本で英語育児を経験した英語ネイティブパパさんの話を続けています。
今日は、そんな彼が日本にやってきてどうやって日本語を身に付けたのか、というお話。
彼は日本にやってきた当初、日本語は全然喋れませんでした。
来日してから働きながら独学で学んだそうですが、そのときに、漢字を含めた文字はもちろん、文法にも相当力を入れて地道に勉強を重ねたそうです。
ある程度大人になってから来日したので、日本語のリスニングには相当苦労したようですが、それは大人になってから英語を学習する僕たち日本人にも同じことが言えますね。
後天的な第二外国語習得では、語彙や文法といったその言語の知識を学ぶことが効率的と思われるので、多くの方は4技能のうちの読解力がまず上がります。
日本の英語教育でも、入試のことなどもあって現状では(昔もですが)おそらく読解力がもっとも鍛えられていることでしょう。
その意味では彼も日本人が英語を学ぶのと同じような形で日本語を学んでいったことになるわけです。
でも多くの「読解力以外の力が身に付かない」典型的な学習者と彼が大きく異なったのは、読解の素地となった語彙や文法を頼りにアウトプットをひたすら練習し続けたことと、リスニングをあきらめなかったことです。
こういう言い方をするととても当たり前のことのように思われるかもしれませんが、その努力はすさまじく、彼は日本語を勉強し始めて3年で日本語能力試験で最高のN1レベルに認定されたのです。
N1では、出題範囲における語彙数は1万、漢字2000個レベルとなっています。
語彙数の点から見るとこれは英検1級に匹敵します。
そして漢字2000個は漢検2級、つまり大学入試レベルにほぼ相当します。
ゼロから英語の勉強を始めて(しかも働きながら)3年で英検1級や大学入試相当のレベルに達することの難しさを思えば、彼の努力を想像することができるのではないでしょうか。
そうした経験もあるからこそ、彼は我が子の英語育児においても、自身はネイティブでありながら、日本では自然習得を目指すのではなく「学習すべきもの」と位置付けて、子どもたちに指導する意識を持って英語を教え続けたのです。
先の記事にも書いたように、「楽しい楽しい」ばかりを追い求めるのではなく、文法も語彙も地道に真摯に、きちんと学んで(学ばせて)こそ第二外国語は身に付く。
それこそが、彼が身をもって学んだことであり、自身の子育てにも応用したことで二人のお子さんのバイリンガル育児に成功したのでしょう。
親がネイティブだからと言って簡単に子どももバイリンガルになるわけではないのです。
ところで、今思い出したのですが、僕の大学時代の友人に父親がアメリカ人という人がいました。
日本で育った友人の英語力は、決して低くはありませんでしたがネイティブレベルというほどではありませんでした。
日本での英語習得の難しさをこの例からも感じることができます。
ハーフ(またはダブルやミックス)と呼ばれる人たちに会ったとき、「片方の親が外国人ならあなたも当然英語できるんでしょ?」と思う人は多いと思いますが、そうではない人は実は多いのです。
繰り返しますが、日本に暮らす以上、誰にとっても英語は「学習によって学ぶもの」なのです。
そのことを忘れずに、英語育児を続けていきたいですね。