パパ、英語子育てやってますブログ

1歳児と4歳児パパの英語子育て実践をご紹介します!

「ネット教育者」への嘆き。

こんにちは、英語子育てパパです。

 

YouTube動画やSNSなどの情報を英語子育ての参考にすることは僕もあります。

 

ただ、そうした媒体で英語指導をしている人たちの言うことを鵜吞みにしてはいけないなと感じることが多々あります。

 

英語学習(教育)は需要が高い反面、ある程度英語を身に付けた人にとっては英語はそれほど難易度の高いことがらではないと感じられるため、「留学をしていた人」や「英会話講師経験者」、そして「難関資格取得者」など自分の英語力に自信がある人が教育系ユーチューバーなどとなって参入することは少なくありません。

 

そして、英語学習者の大半は素人であり、それゆえに英語上級者を思わせる経歴や資格を持っている人は信望を得やすく、結果的に再生数の増加に繋がりやすいという特徴もあります。

 

けど、僕が見ていて感じるのは、そうした「ネット英語教育者」的な立ち位置にいる人たちの知識や学習方法の指導の脆弱さです。

 

知識が誤っている、

根拠が薄い、

ソースが不明、

「ネイティブがそう言っているから正しい」と思い込み、さも説得力ありげに力説している・・・

 

といった問題が散見されます。

 

留学していたのだから、英語を教えていたのだから、資格所得のために勉強したのだから・・・

 

おそらくはそうした経験や自信から、彼らは自分の英語知識や学習法含めた教育観は間違っているはずがない、と心の中で信じてやまないのだろうなと感じます。

 

だからこそああやって自信満々に動画を撮影できるのだろうし、その自信の表れが視聴者(学習者)に信頼感をもたらし、再生数を伸ばすことにも成功するのでしょう。

 

けれど、全てではないにしても、ある誤りが露見したときに、そうと気づかずに「とても勉強になる!」「知らなかったことを知れてよかった、ありがとう!」といった好意的なコメントが嵐のように大量に書かれていることに、僕は(極端なことを言えば)それが日本人の英語力向上の妨げにすらなっているのではないかと、危機感を禁じえません。

 

たとえネイティブを引き合いに英語を語る場面でも、「ネイティブが言うことなのだから英語のことは何でも正しい」とは言えません。

 

僕が見ているだけでも、文法や語法、英語の歴史のことなど、明らかに誤った説明や違和感を覚えるコメントを英語ネイティブがおこなっていることを見かけることがあります。

 

僕たちが日本語の全てを知らないように、英語ネイティブも英語の全てを知っているわけではないのです。

 

資格もいらず、ネットで誰もが「個人教育者」となれる手軽さを享受できる一方、「教えるなら正しいことを根拠と責任を持って正確に」教えて欲しいなと思います。

 

 

ここでYouTubeとX(旧Twitter)で僕が実際に見つけた例を挙げてみます。

 

フォニックスを扱う動画や投稿の中で、office / object / onionなどの頭文字oの発音について、「どれも同じ発音」であるとしてひとくくりにしているケースがありました。

 

oの発音の仕方をまず実演して(または文字で説明して)、それぞれの単語の発音を全て同じoの発音で練習してみよう、というやり方をしていました。

 

ところが実際のところ、これらのoの発音は「すべて同じ」ではありません

 

全く違うものもあれば、アメリカとイギリスで発音が異なるものもあります。

 

ですから、officeとonionの頭文字oを同じように発音するのは誤りであり、間違った発音を練習させてしまうことになるわけです。

 

おそらく自分が同じ音で発音している(と思い込んでいる)からひとくくりにしてしまったのでしょうが、こんなことは辞書を引けばすぐに「同じではない」ことに気付き、回避できるはずの問題です。

発音を指導する上では、「英語」の前にせめてアメリカとイギリスの二つの発音の存在に触れ、大別することくらいの配慮がそもそも必要だという認識が欠けていることも残念です。

 

あまりにも怠慢、無責任ではないかと感じます。

 

このような(おそらくは)過信からくるミスや、本当は正しい知識を知らないのになんとなく体験や体感的にこうだろうとする中途半端な推測による解説動画や投稿は思いのほかよく見かけます。

 

音声、文法、歴史など含めて学術的に英語を学んだ人間であればまずありえないような、突っ込みどころの多い「ネット教育者」は多いのです。

 

 

僕はなにも、「英語を学問した人間しか教えてはいけない」とか「大学教授のような専門家しか指導してはいけない」と言いたいのではありません。

 

フォニックスで発音力は向上しない」という内容の記事を少し前に書きましたが、だから「ただちにフォニックスはやめるべき」と主張したいのでもありません。

 

誰がネット動画をアップしようと構わないと思っていますし、それができない自分に比べればと思うとむしろ尊敬の気持ちを持っています。

自分なりに勉強し、研鑽を重ねた上で内容を考えておられることも理解できます。

膨大な時間をかけて視聴者を楽しませる努力を怠らないことも、本当に尊敬しています。

 

ただ、それをするならば、学習者の利益とそれを支える責任を、現在自覚している以上に強く持たなければいけないという意識を求めたいのです。

そのために、小さなことでも確認と精査を怠らないで欲しいのです。

 

子どもたちの英語力のためにも。

 

 

エラそうなことを書いてしまってとても恐縮ですが、自分自身への戒めも込めて。