パパ、英語子育てやってますブログ

1歳児と4歳児パパの英語子育て実践をご紹介します!

英検が新級を導入することについて。

こんにちは、英語子育てパパです。

 

先日、英検協会より「2025年度より新しい級を導入する」という発表がありました。

 

位置づけとしては、準2級と2級の間に新設し、両者間のギャップを解消することが目的とのこと。

 

 

これについてすでにいろいろな意見が出ていますが、個人的には「今さら感」はやはりぬぐえません。

 

準2級と2級の間に大きな隔たりがあることはもう何年も前からずっと言われていたことで、このギャップを本気で解消するならずっと以前にやっておくべきだったのではないかと思います。

 

TOEICが爆発的に受験者数を伸ばしたことやコロナ禍であったことなどにより、いまいち受験者数が伸びずにあえいでいるであろうことが容易に想像できる英検の状況の中で今回の発表。

 

これを思えば、級間のギャップ解消という学習者に寄り添った大義名分よりも、どちらかと言えば金銭的な部分での問題解決を図りたいという意図の方が大きいのではないかと批判的に見られても仕方がない気がします。

 

2級と準1級の間ではなく準2級との間というのも、最も需要が見込める位置だからではないかと、その批判に拍車をかけている感も否めません。

 

しかし学習者としては、本当に英語レベルの伸長を目的として英検を受験したいという目的の下では、むしろ解消してもらいたいのは2級と準1級の間のギャップであって、その点を嘆く学習者は少なくありません。

 

確かに準2級と2級の間の隔たりは大きく、いつまでも2級に合格できずに苦しみ、挫折していく学習者は多いです。

だからこのギャップ解消によって段階的にバランスよく2級まで手が届くように受験していく、という意味では学習モチベーションの維持向上に役立つことはあるでしょう。

 

けれど英検は、2級以上に合格してようやく大学受験や就職などで活用できるため、それよりも下の級が新設されたところで、社会的評価の点ではまったくと言っていいほどうま味が無いのです。

 

今回の発表を受け、準2級と2級の間に新設するのであれば、2級と準1級との間にも新設してもらいたい

 

個人的にはそんなふうに思います。

息子にはじめて英語ネイティブに会わせてみた。

こんにちは、英語子育てパパです。

 

以前、アメリカ人の英語ネイティブのFさんに

「息子に自分(パパ)以外の人間と英語を話す機会がないのが悩み」

という話をしたことがあります。

 

4歳になっていろいろなことを理解できるようになってくると、日本人だらけの環境の中で英語を自分から話すことはほとんどなくなっていました。

 

「英語が当たり前ではなく特別なものになってしまい、自然に英語を発話することにためらいが生じてしまう」という問題は、単に年齢的なものだけでなく、この日本における社会環境的な問題としても重くのしかかってくるだろうということは英語子育てを始めた当初から想定していたことではありました。

 

だからどうにかして「英語は当たり前」の意識や環境を保ち続けることが英語育児をする上ではある意味最大の課題になると思っているのですが、そうと分かっていてもなかなかできることではありません。

 

そんなモヤモヤの中でFさんに打ち明けてみたのですが、そしたら彼は「僕でよければ会ってあげるよ」と言ってくれました。

 

実は息子は「ふだん周りの人とは英語は話さないけれど、英語ネイティブと話してみたい」というふうなことを言っていたこともあったので、とても良い機会になると思いました。

 

ぜひにとお願いして、先日ついに実現しました。

 

妻と娘(1歳)も連れて、みんなで動物園に行きました。

 

 

サプライズをしようというFさんの提案もあって、息子には「動物園にはパパのお友達も一緒に来るからね」とだけ伝え、英語ネイティブに会うことは内緒にしていました。

 

はじめて英語ネイティブを目の当たりにして、ひょっとしたら恥ずかしがって何も喋らなくなるかもしれないとか、逆に喜んで想像以上に英語を喋ろうとするかもしれないとか、いろいろな心配や楽しみを想像して、ワクワクソワソワしながら待ち合わせ場所に行きました。

 

そしてついに対面のとき。

 

まずはFさんの方からとても気さくに挨拶と自己紹介をしてくれました。

 

そのフレンドリーぶりに安心したのか、息子も

 

I'm 〇〇!!(フルネーム)

 

と元気に英語でご挨拶できました!!

(その瞬間を動画におさめなかったことをちょっと後悔しています。)

 

 

まったく恥ずかしがる様子もなく、そして動物園に来れて嬉しいという気持ちも手伝って、終始めちゃくちゃ元気に楽しそうにしていました

 

Fさんもずっと明るく話しかけたり、息子から英語を引き出そうとうまくリードし続けてくれて、「英語に触れながら動物園を楽しむ」という素敵な時間を作ることができました。

 

 

息子はつい日本語もたくさん話していましたが、自分で言えることは堂々と英語で言っていました

 

僕が見ている限り、Fさんの言っていることはだいたい理解できているようでしたし、彼の英語もしっかりとFさんに伝わっていました

 

ここまでの僕なりの英語子育ての成果を見た気がして、とても嬉しかったです。

 

新しい言葉も学ぶことができて、本当に楽しんでました。

 

Fさんは子どもが喜ぶ接し方やおもしろいワードなどを心得てくれていたことが本当にありがたかったです。

 

 

ちなみにFさんは娘にもたくさん話しかけてくれて、娘もlion(ライオン)やhippo(カバ)などの発音ができるようになりました。

 

僕の発音も悪い方ではないと思っていますが、やはり幼児にはネイティブの発音で覚えさせるのには適わないなと思いました(笑)

 

 

動物園の後は、芝生がきれいな近くの広場に行ってピクニックをしました。

 

たくさん食べて走り回って、ごっこ遊びもしたり、ずっと笑いっぱなしの本当に素敵な時間になりました。

 

 

帰宅すると、すぐに息子は

「Fさんにお手紙書きたい!」

と言って、紙にFさんの似顔絵を描いてあげていました。

 

「これも食べてもらいたい!」

と言って、自分の好きなゼリーも似顔絵と一緒に渡すことにしました。

 

Fさんのことが大好きになったようで、「パパ、絶対Fさんに渡してね」と言って僕が忘れないように僕のカバンに自分から勝手に入れていました(笑)

 

後日、Fさんに息子が描いた似顔絵とゼリーを渡したら、とても喜んで「また一緒に遊びに行こう」と言ってくれました。

 

今度は水族館も良いかもしれません。

楽しみです!

 

 

最後に。

 

わが家の英語子育ての一つのこだわり、というか金銭的な問題もあって、子どもたちを英会話スクールや英語教育に特化した幼稚園のようなところには通わせていません。

 

スクールに通わせることが英語育児の正解ではないとも考えています。

 

それでも、どうしても「英語もネイティブとの接触も特別」という感覚がぬぐい切れない今の日本社会では、だからこそやはり英語ネイティブとの関わりは重要な意味を持つものだと思います。

 

あれから数日が経ちますが、動物園でFさんに教えてもらった英語を息子は毎日楽しそうに口にしています

 

外での実践的な体験以上に頭や心に根付くものはないのでしょうね。

 

そういう意味で、家庭での英語育児を中心にしながら、ネイティブとの英語コミュニケーションを当たり前に感じ、実践させられる手段としてスクールに通わせるのはアリだろうなと改めて感じました。

第332回 TOEIC公開テスト アビメ

こんにちは、英語子育てパパです。

 

第332回 TOEIC公開テストのアビメが出ました。

 

            

 

 

トータル970点です。

 

リスニングは満点ですが、Part3と4で少しミスがありました。

 

リーディングも複数の分野でミス

 

全部100%で満点取ることを目標にこれからも頑張りたいです!

第332回 TOEIC公開テスト 結果

こんにちは、英語子育てパパです。

 

先日受験した第332回TOEIC公開テストの結果がネットで発表されました。

 

f:id:NavyFox:20230926151501j:image

 

という結果でした。

 

ホンネを言うと、間違えてしまった問題はあったものの、980点くらいはいったか?という手応えだったのでちょっと残念です。

 

 

いずれにしても、満点目指して今後も頑張りたいと思いますし、子どもたちの目標になれる父親になりたいです。

条件反射的に覚える日常フレーズから人を育てる。

こんにちは、英語子育てパパです。

 

おうち英語をしていると、「こうきたらこう」という具合に決まりきったフレーズのやり取りを通して条件反射的に覚えさせることが結構多いことに気づかれると思います。

 

たとえば

Thank you.

と言われて

You are welcome.

と返す、みたいなことですね。

 

こうしたやりとりには、Thank you.がよりくだけてThanks.と言うことがあったり、

You are welcome.の代わりにSure.とかNo problem.で返したりなど、

いくつかのパターンがあることもありますが、どれも頻繁に聞いたり口にしたりするので「学習している」という意識を一切持たずに覚えていくことができます。

 

他の例だと、たとえば毎朝仕事に出かけるとき、僕は必ず

Have a nice day.

と言うようにしているのですが、息子は違和感なく

You too.

と応えるようになりましたし、1歳の娘も、

「う~とぅ~」

みたいにつたない発音でかわいらしく言ってくれます笑

 

息子は逆に自分から

Daddy, have a nice day!

と言ってくれたりもします。

 

「~したい人!?」「はーい!!」と元気よく答えさせるやりとりでは、

Who wants to ~?

と聞くと、

Me! Me! Me!

と元気よく答えてくれます。

 

こうした応答や発話ができるようになるまでにはそれほど時間はかかりませんし、労力も必要ありません。

 

いちいち理屈で教えるようなものでもなく、また思いのほか日常に満ちているものでもあるので、手軽に英語を覚えさせるいいきっかけになるものです。

 

もちろん、この程度の日常フレーズだけで高度な英会話力が身に付いていくわけではありませんが、結局何気ない日常における「繰り返し」が学習負担を軽減させてくれるものであることに違いありません。

 

だからこの延長として、語や文量の多い絵本を繰り返し読むということも、反射的に英語を理解して応答できる力に繋がっていくのだとも思います。

 

 

けれど、こうした英語習得のための実利的なメリット以上にとにかく大事だと最近感じるのは、結果的には日常英語を教えつつ、「どういたしまして」とか「あなたもね」と返すことや、誰かに何かを言われたら「元気にお返事すること」がお互いに気持ちの良いことで、だから相手の気持ちや問いかけに応えることは大切なことなんだ、という人としてのコミュニケーションの大切さを教えることに繋がることです。

 

むしろそういう教育に繋げるのが親の役割なのだと僕は思います。

 

英語教育は、単に英語を身に付けさせることだけではありません。

 

英語の学びを通して人間性を育てる。

 

そういう教育観を忘れない親でありたいなと思います。

第332回 TOEIC公開テスト 感想

こんにちは、英語子育てパパです。

 

昨日は久しぶりにTOEIC公開テスト受けてきましたので、今日はその感想を。

 

受験された方々お疲れさまでした!

 

今回僕が受けたのは第332回(午前)で、1問目が「通路に立つ男性」のフォームです。

 

●総合難易度:普通(orやや易)

という感じでした。

 

ではパート別に振り返っていきます!

 

●Part1:やや難

最近TOEICは難化傾向にあって、Part1から難度の高い語彙が出るというのは聞いていましたが、思ったほどではなかったというのが率直な感想です。

 

aisle「通路」、twinkling light「きらめく光」(だったかな?)、cut up「裁断する」あたりが発音含めて少し難しかったでしょうか。

 

potted plant「鉢植え」も出たましたが、これは対策問題集でも登場するので(aisleも)事前に公式問題集をしっかりやっていれば大丈夫だと思います。

 

女性が1ダースほどの水のボトルを手渡そうとしている写真で、明らかに人物描写がくると思ったのですが、実際には女性の奥にある「ジャケットがハンガーにかけられている」が正解で、変則問題でした。

ときどきこういうのがあるんですよね。

 

1問目の通路に立つ男性も、本棚に手を伸ばしている動作が描写されると思ったら実際には「通路(aisle)に立っている」が正解で、そういう意味では少し変則的だったかと。

 

みんな気にしなかったかもしれませんが、2問目の「女性が(皿から)容器に食べ物を入れている」問題で、「容器」をboxで表現していたところに僕はちょっとだけ違和感を覚えました。(見た目的にはどんぶりみたいな感じだったような。)

まあでもlunch boxとか言うくらいなので、そういうものなんでしょう笑

 

定番表現としては、モノの状態を表すhave been p.p.(hanged)(「ジャケットがかけられている」)や、

モノが行為を受けている最中を表すbe being p.p.(cut up)(「木が裁断されている」)がいつも通りという感じで登場していました。

 

「人々がサイクリングしている」みたいなシンプルでド直球の易しい問題もありましたが、語彙の多少の難しさと変則問題の点で「やや難」としました。

 

 

●Part2:やや易

ストレート問題の割合が変化球よりもかなり高かった印象です。

 

後半に進むにつれてやや難易度が上がって行くのはいつもの傾向かと思いますが、それほど悩む必要はなかったです。

 

一つ気になったのは、選択疑問の問題が多くて出題パターンにやや偏りがあったかな?というところ。

 

 

●Part3・4普通

Part3では3人会話が2題登場しましたが、いずれも設問に固有名詞(人物名)があったので、先読みの段階で構えておくことが容易でした。

※設問に固有名詞がある場合は3人会話である可能性が非常に高いというのを知っておくことは、先読みのポイントの1つですね。

 

全体としては「会話の場所」「話者の職業」「話題」「抱えている問題点」「次の行動」などのオーソドックスな問題が多かった印象で、比較的解きやすかったです。

 

発言意図の問題はやや難しかったかもしれません。

 

最近よく言われているイギリス訛りの女性が複数回登場。

彼女はスピードも速く、苦戦するポイントですね。

 

以前からよくあるscheduled(シェジューウみたいな発音)も相変わらず登場しました。

 

グラフィック問題では、計6問のうち、(覚えている限り)2問はひっかけでした。

選択肢の対になる文言が複数回登場し、最後まで流れをしっかり聞き取らないと答えにたどり着けないタイプのもので、これは対策がものを言うと思います。

 

グラフィックの内容的には「フライトの行先」「商品の値段」「部屋の配置」などよく見るものが多かったです。

 

 

●Part5:やや易

たしか1問目が助動詞mustの後の動詞の原形を選ぶ問題で、超基礎でした。

 

他にもSVを読み取って主語(名詞)を選ぶ問題や、despiteとalthoughのように前置詞と接続詞を区別させる問題など、基本的でオーソドックスな問題が多かったです。

 

be+過去分詞+to不定(例:be required to)のように語法的に(またはコロケーション的に)解かせる問題も複数ありました。

 

構文としては、the比較級, the比較級分詞構文などの高校英語の構文も登場。

 

ちょっとだけ「おっ」と思ったのは、前置詞が並ぶ選択肢のうち、一つだけgo(動詞)が紛れ込んでいるなど、これまでになかったタイプの選択肢の作り方が見られたこと。

 

選択肢の作り方も最近は注目ポイントとよく言われていますね。

 

 

●Part6:普通

取り立てて特徴のある問題はなかった印象です。

さっさと解いたので内容ほぼ覚えていません笑

ただ、文挿入はやはり消去法が有効だと感じました。

 

 

●Part7:やや易

まず、articleの問題がトリプルの3題目に1つ登場しただけだったのが意外でした。

articleに悩まされる方も多いと思うので、それだけでもかなりハードルは下がった印象でした。

 

トリプルの3題目は、5問中2問が難問だったと個人的には感じました。

 

全体的にやや難易度の高い語彙が設問中に登場することが複数見受けられました。

 

「ココナッツの価格が物価高の影響を受けて高騰する」といった時代を反映したテーマの出題もありました。

 

●Part5~7の語彙について:

referrals「紹介・参照・委託」mandatory「義務的な・必須の」あたりが初級者の方には難しかったかもしれませんね。

 

appreciateの意味問題が登場しました。これも定番というか。

value、admire、understandで悩んだ人が多いのではないでしょうか。

文脈を読めばadmireは明らかにおかしかったのですが、慣れない方には難問だったかもしれません。

答えはvalue(のはず)ですね。

 

compliment「賛辞・誉め言葉」も登場しましたが、complaint「苦情」と勘違いすると大変なことになる問題でした。

見た目の雰囲気が似た単語は要注意ですね。

 

 

●総評:

回やフォームによって差はあるのでしょうが、僕が今回受験したものについては極端に難化したとは感じませんでした

 

一部の語彙の難しさや訛りの聞き取りづらさなどの点ではややとっつきにくくなっている印象はありますが、問題内容自体は標準的で、正確に読めていればほとんどの問題で迷う必要はないと感じました。

迷ったとしても、消去法が効果的で対処できたと思います。

 

難易度高目の語彙も、分からなくても文脈的に推測することが可能といったレベルだったのではないでしょうか。

 

少なくとも僕はそんなふうな感想です。

 

 

●時間配分の記録:

Part5と6合わせて15分ほどで通過。

Part7に60分残せたのは良かったです。

 

Part7はシングルで1題あたり平均3分、ダブル5分、トリプル6分の配分で全解答し、2分ほど余らせられました。

 

僕は基本的に書かれてある文字は全て読みたくなるタイプなので、その割にはおおむね理想的な解答ペースでいけたかなと思います。

 

肝心のスコアは・・・

 

結果を待ちたいと思います。

 

 

また受けるチャンスがあれば受けたいと思います!

「ネット教育者」への嘆き。

こんにちは、英語子育てパパです。

 

YouTube動画やSNSなどの情報を英語子育ての参考にすることは僕もあります。

 

ただ、そうした媒体で英語指導をしている人たちの言うことを鵜吞みにしてはいけないなと感じることが多々あります。

 

英語学習(教育)は需要が高い反面、ある程度英語を身に付けた人にとっては英語はそれほど難易度の高いことがらではないと感じられるため、「留学をしていた人」や「英会話講師経験者」、そして「難関資格取得者」など自分の英語力に自信がある人が教育系ユーチューバーなどとなって参入することは少なくありません。

 

そして、英語学習者の大半は素人であり、それゆえに英語上級者を思わせる経歴や資格を持っている人は信望を得やすく、結果的に再生数の増加に繋がりやすいという特徴もあります。

 

けど、僕が見ていて感じるのは、そうした「ネット英語教育者」的な立ち位置にいる人たちの知識や学習方法の指導の脆弱さです。

 

知識が誤っている、

根拠が薄い、

ソースが不明、

「ネイティブがそう言っているから正しい」と思い込み、さも説得力ありげに力説している・・・

 

といった問題が散見されます。

 

留学していたのだから、英語を教えていたのだから、資格所得のために勉強したのだから・・・

 

おそらくはそうした経験や自信から、彼らは自分の英語知識や学習法含めた教育観は間違っているはずがない、と心の中で信じてやまないのだろうなと感じます。

 

だからこそああやって自信満々に動画を撮影できるのだろうし、その自信の表れが視聴者(学習者)に信頼感をもたらし、再生数を伸ばすことにも成功するのでしょう。

 

けれど、全てではないにしても、ある誤りが露見したときに、そうと気づかずに「とても勉強になる!」「知らなかったことを知れてよかった、ありがとう!」といった好意的なコメントが嵐のように大量に書かれていることに、僕は(極端なことを言えば)それが日本人の英語力向上の妨げにすらなっているのではないかと、危機感を禁じえません。

 

たとえネイティブを引き合いに英語を語る場面でも、「ネイティブが言うことなのだから英語のことは何でも正しい」とは言えません。

 

僕が見ているだけでも、文法や語法、英語の歴史のことなど、明らかに誤った説明や違和感を覚えるコメントを英語ネイティブがおこなっていることを見かけることがあります。

 

僕たちが日本語の全てを知らないように、英語ネイティブも英語の全てを知っているわけではないのです。

 

資格もいらず、ネットで誰もが「個人教育者」となれる手軽さを享受できる一方、「教えるなら正しいことを根拠と責任を持って正確に」教えて欲しいなと思います。

 

 

ここでYouTubeとX(旧Twitter)で僕が実際に見つけた例を挙げてみます。

 

フォニックスを扱う動画や投稿の中で、office / object / onionなどの頭文字oの発音について、「どれも同じ発音」であるとしてひとくくりにしているケースがありました。

 

oの発音の仕方をまず実演して(または文字で説明して)、それぞれの単語の発音を全て同じoの発音で練習してみよう、というやり方をしていました。

 

ところが実際のところ、これらのoの発音は「すべて同じ」ではありません

 

全く違うものもあれば、アメリカとイギリスで発音が異なるものもあります。

 

ですから、officeとonionの頭文字oを同じように発音するのは誤りであり、間違った発音を練習させてしまうことになるわけです。

 

おそらく自分が同じ音で発音している(と思い込んでいる)からひとくくりにしてしまったのでしょうが、こんなことは辞書を引けばすぐに「同じではない」ことに気付き、回避できるはずの問題です。

発音を指導する上では、「英語」の前にせめてアメリカとイギリスの二つの発音の存在に触れ、大別することくらいの配慮がそもそも必要だという認識が欠けていることも残念です。

 

あまりにも怠慢、無責任ではないかと感じます。

 

このような(おそらくは)過信からくるミスや、本当は正しい知識を知らないのになんとなく体験や体感的にこうだろうとする中途半端な推測による解説動画や投稿は思いのほかよく見かけます。

 

音声、文法、歴史など含めて学術的に英語を学んだ人間であればまずありえないような、突っ込みどころの多い「ネット教育者」は多いのです。

 

 

僕はなにも、「英語を学問した人間しか教えてはいけない」とか「大学教授のような専門家しか指導してはいけない」と言いたいのではありません。

 

フォニックスで発音力は向上しない」という内容の記事を少し前に書きましたが、だから「ただちにフォニックスはやめるべき」と主張したいのでもありません。

 

誰がネット動画をアップしようと構わないと思っていますし、それができない自分に比べればと思うとむしろ尊敬の気持ちを持っています。

自分なりに勉強し、研鑽を重ねた上で内容を考えておられることも理解できます。

膨大な時間をかけて視聴者を楽しませる努力を怠らないことも、本当に尊敬しています。

 

ただ、それをするならば、学習者の利益とそれを支える責任を、現在自覚している以上に強く持たなければいけないという意識を求めたいのです。

そのために、小さなことでも確認と精査を怠らないで欲しいのです。

 

子どもたちの英語力のためにも。

 

 

エラそうなことを書いてしまってとても恐縮ですが、自分自身への戒めも込めて。