言語習得の絶対原則。
こんにちは、英語子育てパパです。
前回の記事で、子どもに複数の言語を同時に習得させることは可能、というお話を書きました。
これには、そもそも言語習得についての絶対原則があることが根拠になっています。
その絶対原則とは何かというと、
「ある特定の言語環境下に置かれた子どもは、その言語を必ず身に付ける」
ということです。
たとえば
日本語の言語環境下で育つと日本語を身に付け、
英語の環境下で育つと英語を身に付ける、
ということです。
(重度の知的障がいや、幼少期から隔離監禁されていて言語に触れる機会が一切なかったなどの例外的なケースは別です。)
事実、日本で生まれ育った約1億3千万人はほぼ全員日本語を身に付けています。
(識字率が99.9%以上と、ほぼ100%ということからもそれは言えると思います。読み書きができない人でも、恐らく聞いて理解し話すことはできると思います。)
そんなの当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、
その当たり前の原則があるからこそ、複数言語の同時習得も可能なのです。
「ある特定の言語環境下」で必ずその言語が身に付くと言うのなら、
その「ある特定の言語環境」というのが日本語や英語といった単一の言語ではなく、
複数言語の同時共存的環境だった場合、その原則は次のように言い換えられることになります。
「複数の言語環境下に置かれた子どもは、それらの言語を全て身に付ける」
いくぶん極端な主張に聞こえるかもしれませんが、事実世界には、母語となる土地の言語に加えて外国語が公用語として多用されている地域は多くあり、日常生活において複数言語が当たり前に使用されているために自然とマルチリンガル(多言語話者)になる人は大勢います。
僕の知り合いのフィリピン人は、公用語であるフィリピン語と英語のバイリンガルですが、聞いてみるとやはり両方の言語が生まれたときから当たり前に周囲にあったというのです。
世界には、多言語環境下で育ったことで5か国語以上のマルチリンガルになる人もいるくらいです。
話を日本に戻しましょう。
日本は日本語が中心の単一言語国です。
英語が当たり前の言語環境として身の回りにあることは基本的にありません。
だから、「バイリンガル教育は難しい」となりがちで、「複数言語を覚えるなんて無理があるのでは?」と思われがちです。
言語環境が成り行きに任せたものであるなら、確かにそれは正論と言えるでしょう。
僕が言いたいのは、「日本語環境しかないから・・・」とバイリンガル教育を諦めるのではなく、
「複数の言語環境があればバイリンガルになれるのなら、その環境を作ればいい」
という発想を持ち、これを実現する努力をすべき、ということです。
学校や他人の家庭、ひいては社会そのものの言語のあり方など、個人の力ではどうにもならないことはいくらでもあります。
でも「自分の家」くらいならどうにかなるのではないでしょうか。
日本語と英語が共存する多言語環境を家庭で作る。
これまで「音を聞かせよう」「CDプレーヤーやスマホを活用しよう」ということもご紹介してきました。
そうした提案や工夫は、全て「家庭で多言語環境を作る」ことが、上記の原則に照らして考えたときに絶対に必要な条件となることを見越してのことです。
「その言語下にいればその言語が身に付く」
こんな当たり前で、でもだからこそ見落とされそうなところにこそ、英語育児を成功させるための根本的なアイディアがあるということを再認識していただけると嬉しいです。